合併症編


糖尿病にはさまざまな合併症があります。

 

合併症編

  1. 糖尿病にはさまざまな合併症があります。
  2. 糖尿病網膜症は成人後の失明原因の第一位。
  3. 食事や運動量などの制約も必要になる糖尿病腎症
  4. 手足のしびれやひどい下痢・便秘など、症状が全身に及ぶ糖尿病神経障害。

糖尿病にはさまざまな合併症があります。

糖尿病は血糖値が高くなる(高血糖になる)病気。
でも、高血糖だからといって、特別な自覚症状が現れることはあまりありません。
それなのになぜ治療が必要なのでしょうか。
それは、糖尿病の治療が十分でないと、知らず知らずのうちに、全身にさまざまな病気「合併症」が起きてくるからです。

糖尿病の患者さんに特有な病気「三大合併症」。

高血糖が続いていると、全身の細い血管や神経の障害が出てきます。その結果起こる、糖尿病の患者さんに特有な病気の代表として、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害があげられ、糖尿病の「三大合併症」と呼ばれています(次ページ以降で詳しくお話しします)。

糖尿病の患者さんに多い、そのほかの合併症・併発症。

1. 動脈硬化性の病気
血糖値が高いと細い血管ばかりか太い血管の障害「動脈硬化」も起こります。その結果として、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳梗塞や脳出血などの脳卒中が起こりやすくなります。また足の動脈硬化から歩行困難になったり、壊疽(組織が腐ってしまうこと)が起きたりもします。
2. 感染症にかかりやすくなる
高血糖はまた、免疫機能を低下させたりして、感染症にかかりやすくします。かぜやインフルエンザ、肺炎、結核、膀胱炎、水虫などに、より注意が必要です。
3. そのほかには
糖尿病では高血圧や脂質異常症、骨粗鬆症、歯周病などの合併が高率にみられます。

よりよい血糖コントロールが合併症を防止します。

合併症は一度発病すると、今の医学では治すのはなかなか大変です。ですから、糖尿病と診断されたらきちんと血糖値をコンロールして、合併症を予防することが大切です。また、たとえ合併症が起きているとしても、よりよい血糖コントロールを保つことで、その進行を遅らせることができます。

糖尿病網膜症は成人後の失明原因の第一位。

視覚障害の原因疾患

「糖尿病で失明だなんて…」と、思われる方も少なくないことでしょう。でも、確かに糖尿病のために光を失う人は毎年3,000人以上と多く、それは成人後の失明原因のトップなのです。
しかもそれは、ほかの眼の病気による失明とは異なり、防ぐことができたはずの失明、血糖コントロールをしっかり続けていれば免れたはずの失明です。

眼のスクリーン「網膜」が高血糖で冒されます。

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網膜とは、眼球の奥に広がっているスクリーンのことで、瞳孔を通って眼の中に入った光が焦点を結ぶところです。網膜には細かい血管が張り巡らされています。
糖尿病網膜症は、高血糖によりそれらの血管が障害されることなどから起こります。

糖尿病網膜症の病期

単純網膜症

網膜の血管から血液の成分が染み出して、網膜に斑点のようなシミを作ったりしますが、自覚症状は全くありません。

増殖前網膜症

網膜の血管の一部が詰まり、血液が流れていない部分が生じた段階ですが、自覚症状はまずありません。レーザー治療などで、病状を安定させます。

増殖網膜症

血液の流れていない網膜に新しい血管が伸びてきます。この新しくできた血管が眼底出血や網膜剥離の原因となって、視覚障害を引き起こすことがあります。そのような場合は、硝子体手術などで視力の回復を図ります。

眼科にも定期的に受診しましょう。

糖尿病網膜症は、たいてい自覚症状が現れずに進行し、気づいたときには失明寸前ということがしばしばあります。自覚症状に乏しい糖尿病の管理のために内科へ定期的に通院するのと同じように、糖尿病網膜症の予防・治療のために、眼科にも定期的に受診しましょう。

食事や運動量などの制約も必要になる糖尿病腎症。

腎臓のおもな働きは血液の中の不要なものを尿中に排泄し、血液をきれいにすることです。その働きは腎臓内部に約二百万個存在する、細い血管の集合体である糸球体で行われています。 高血糖で糸球体内の細い血管が障害され糖尿病腎症が起こると、血液をきれいにする働きが低下してしまいます。

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糖尿病腎症は透析療法が必要になる原因の第一位。

腎臓の働きが極端に低下すると、血液中に不純物が溜まり生命に危険が生じます。そのようなときは透析療法を始める必要に迫られます。
現在国内では毎年新たに3万人以上の方が透析療法を始められていますが、そのうち約4割が糖尿病腎症によるもので、透析が必要になる原因のトップとなっています。

糖尿病腎症の病期

早期腎症

腎臓の糸球体がわずかに障害され、本来は尿に排泄されないたんぱく質の一部であるアルブミンが、尿検査でみつかる段階です。自覚症状は全くありません。血糖と血圧のコントロールに気をつけるとともに、たんぱく質をとり過ぎないようにして、病気の進行を防ぎます。

顕性腎症前期

尿たんぱくの検査が陽性の段階ですが、腎臓はまだ比較的よく働いていて、自覚症状は全くありません。血圧をより厳格にコントロールし、たんぱく質の摂取量を抑えます。また、激しい運動は控えます。

顕性腎症後期

腎機能の低下が顕著になった段階です。この時期からむくみが現れる方もいます。十分な降圧治療、たんぱく摂取量の管理を続けるとともに、疲労を避けるために仕事内容・時間への配慮も必要になります。

腎不全

腎臓の働きがさらに低下した状態です。厳格なたんぱく摂取制限などの治療を続けますが、尿毒症の危険が出てくれば透析療法を始めます。

原疾患別にみた新規透析導入者数の推移

手足のしびれやひどい下痢・便秘など、症状が全身に及ぶ糖尿病神経障害。

糖尿病神経障害は、高血糖によって神経が障害されることで起こります。
神経は全身にくまなく張り巡らされていますから、その影響は全身に及び、多彩な症状となって現れ、患者さんを悩ませます。

しっかり治療すると、しびれや痛みは必ずとれます。

さまざまな症状のなかでもとくに患者さんに苦痛を与えることが多いのは、足や手のしびれ・痛みです。痛みのために睡眠不足になったり、気持ちが落ち込んでしまう患者さんも少なくありません。しかし、このような症状はいずれ軽快します。
治療開始後に神経の働きが戻ることで一時的に症状がひどくなることもありますが、それは回復の一過程ですので、根気よく治療を続けてください。

糖尿病神経障害のおもな症状

手足のしびれや痛み…
両足・両手に左右対象の同じ部分にしびれや痛み、異常な感覚が現れます。
痛みや熱さに鈍くなる…
神経が麻痺して痛みや熱さに鈍くなります。そのため、怪我ややけどに気づかず、悪化させてしまうことがあります。
下痢や便秘…
腸の働きが乱れるために、ひどい下痢や便秘を繰り返します。
胃の働きが乱れる…
本来は食後に活発に働くはずの胃が働かず、消化リズムが乱れます。それが血糖コントロールに悪影響を及ぼすこともあります。
ひどい立ちくらみ…
血圧を適切に調節できなくなり、立ちくらみが起こります。
低血糖がわからない…
低血糖の自覚症状が現れずに、突然、自分ではなにもできなくなってしまうことがあります。
尿意を感じない、排尿に時間がかかる…
膀胱に尿が溜まっているのに尿意を催しにくくなるため、次第に膀胱が大きくなり、排尿に時間がかかったり、尿が出切らなくなります。
勃起障害…
勃起が長続きしない、勃起の固さが不十分、といった症状が現れます。
顔の一部分が動かない…
眼やまぶたを動かせなくなったりもします。

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