基礎知識編


糖尿病ってどんな病気?

 

基礎知識編

  1. 糖尿病ってどんな病気?
  2. 糖尿病の主要な病型は1型と2型に分けられます。
  3. 血糖管理に気をつけて、今までどおりの生活を。
  4. 合併症をおこさないためにも、正しい治療を受けましょう。

糖尿病ってどんな病気?

「太った人がなりやすい」と思われがちな糖尿病には、大きく2つのタイプがみられます。
それは小児や若年者に多い、インスリン依存性の強い1型と、生活習慣と遺伝的要因によって発病してくる2型です。前者は急激に、後者は徐々に、どちらも血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が異常に高くなってきます。

尿検査だけでは診断できない糖尿病。

糖尿病で尿に糖が漏れ出すのは、血糖値が、およそ170mg/dL以上になってから。食後でも基準値140mg/dLを大きく超えないと、尿に糖は出ないので早期診断には、血糖検査が必須です。
糖尿病でなくても尿に糖が出ること(腎性尿糖)もありますから、必ず医療機関で検査を受けましょう。

糖尿病と診断されるまでの検査。

糖尿病を診断するためには、次の3つの検査方法があります。

1)空腹時血糖値
前日の夕食後、何も食べず翌朝、血糖値を測ります。
2)ブドウ糖負荷試験2時間値
10時間以上絶食した状態で1度目の採血。次に75gのブドウ糖液を飲み、その2時間後に再び血糖値を測定します。
3)随時血糖やHbA1c
食事の前か後かなどを考慮せずに採血し、その血糖値(随時血糖)が200㎎/dL以上の場合や、HbA1cが6.5%以上(NGSP値)の場合も「糖尿病型」です。
  • HbA1c:採血時点から過去1~2カ月間の血糖状態がわかる検査。現在は国際標準の「NGSP値」が使われています。検査結果が、以前使われていた「JDS値」で表されている場合は、0.4を足すとNGSP値に換算できます。

1と2の検査結果により、正常型、境界型、糖尿病型の3つに分類することができます。

「境界型」の人は日常生活の見直しを。

今のままの生活を続けると、糖尿病になる危険の高い人の多くが、境界型と判定されます。これまでの食事や、運動量などを見直し、発病を防ぐ努力をしましょう。

糖尿病の主要な病型は1型と2型に分けられます。

原因はどう違う?

1型糖尿病
膵臓のβ細胞が壊れてしまい、まったくインスリンが分泌されなくなってしまう1型糖尿病。インスリンを体外から補給しないと生命に関わるため、インスリン注射を欠かしてはなりません。
2型糖尿病
遺伝的に糖尿病になりやすい人が、肥満・運動不足・ストレスなどをきっかけに発病します。インスリンの効果が出にくくなったり、分泌のタイミングが悪くなったりします。

症状はどう違う?

1型糖尿病
発症するのは子どもや若い人に多く、最初は風邪に似た症状が出ます。その後、のどが渇く、尿が多くなる、急激にやせるなどの症状があらわれてきます。放っておくとケトアシドーシスに陥るので、直ちに治療を受けてください。
2型糖尿病
自覚症状がないため、いつ発症したのか、わからないまま地域や職場の健康診断や生命保険の加入時に発見されることがよくあります。苦痛がないからと、放っておくと合併症がすすんでくるので、必ず治療を受けましょう。

1型糖尿病と2型糖尿病の違い

  1型糖尿病 2型糖尿病
発症年齢 子どもや若い人に多い 中高年に多い
体型 やせ形に多い 太った人に多い
発症のしかた 急激に発症し、病状の悪化も急速 ゆるやかに発病し、進行もゆっくり
発症の原因 膵臓のβ細胞が破壊されたため 遺伝的体質に肥満などの要因が加わったため
治療方法 インスリン注射 食事・運動療法。
場合によっては飲み薬とインスリン注射
ケトアシドーシス 起こしやすい まれに起こす

ケトアシドーシスとは?

インスリンは、ブドウ糖をエネルギーとして分解するときに必要なホルモン。不足すると、ブドウ糖の代わりに脂肪がエネルギー源として使われ、ケトン体という酸性物質ができます。「ケトアシドーシス」とは、このケトン体が血中に増え、血液が酸性化した状態。体のさまざまな働きが低下し、重症になると昏睡に陥ってしまう危険な症状です。

血糖管理に気をつけて、今までどおりの生活を。

糖尿病は一生つきあっていかなければならない病気です。しかし悲観的になることはありません。きちんと治療を続け、血糖値を良好にコントロールしていれば、仕事も続けられますし、出産することもできます。空腹時血糖値110mg/dL未満、食後2時間血糖値140mg/dL未満を目標に血糖コントロールを続けていきましょう。

糖尿病とつきあうコツは自分自身を管理すること。

糖尿病をうまくコントロールしていくために、気をつけたいのは栄養・運動・休息、そしてストレス解消の4つの要素。これは糖尿病患者さんだけでなく、すべての人にとって、健康な生活を送るうえで大切なことです。糖尿病治療の主治医は自分自身だと自覚し、規則正しい生活を心がけて、「一病息災」をめざしましょう。

きちんとした血糖コントロールが合併症を防ぎます。

血糖の高い状態が続くことにより起こる、体のさまざまな部分の障害を「合併症」と言います。将来、合併症を起こさないためには、血糖コントロールが大切です。
血糖自己測定に加え、1~2ヶ月前からの血糖値がわかるHbA1C(ヘモグロビンエー・ワン・シー)の検査を、病院で定期的に受けましょう。合併症を予防するには、このHbA1Cが6.5%以下を保つよう努力することが必要です。

糖尿病三大合併症

糖尿病性網膜症 単純網膜症→前増殖網膜症→増殖網膜症と進行し最悪の場合は失明に至ることもあります。
糖尿病性腎症 早期腎症→顕性腎症前期→顕性腎症後期→腎不全と経過。腎不全になると、人工透析が必要です。
糖尿病性神経障害 下痢/便秘/しびれ/はきけ/胃もたれ/筋力低下/下肢疼痛/こむら返り/失禁/たちくらみ/など

糖尿病によって起こる大血管症の例

脳梗塞 脳に動脈硬化が生じ、脳梗塞になると、めまい、顔面や半身の麻痺、意識障害などの症状がおこります。
心筋梗塞 心臓の血管の内側が狭くなり、狭心症や心筋梗塞の危険が高まります。糖尿病性神経障害のせいで、痛みを感じないこともあるので注意が必要です。
下肢閉塞性動脈硬化症 歩くとすぐに足のふくらはぎやももが痛くなり、休み休みでないと歩けなくなります。最悪の場合、足がくさって壊疽になることもあります。

合併症をおこさないためにも、正しい治療を受けましょう。

合併症は糖尿病になったら必ず起こるわけではなく、適切な血糖コントロールで防ぐことができます。むやみに恐れることなく、正しい治療を続け、定期的な検査と診察を受けることが大切です。また食事・運動療法は毎日の暮らしに取り入れるようつとめましょう。

食事療法

食事療法の基本は一日3回、きちんと食べることです。
間食は、1型糖尿病のお子さん以外は控えましょう。食事は、量にさえ気をつければ何を食べても大丈夫ですから、患者さんだけ特別なものを用意する必要はありません。むしろ、低カロリーで品数豊富な糖尿病食は、他の家族の生活習慣病予防にも役立ちます。食品を栄養分ごとに分けた食品交換表を、毎日の献立づくりに活かしましょう。

運動療法

運動療法には、肥満解消のほか、心肺機能の向上、動脈硬化の予防、筋肉の強化などの目的があります。また運動をして血糖が下がると、体が要求するインスリンの量が減るという、インスリンの節約効果もみられます。運動といっても、あくまで治療の一環なので、急に激しいスポーツをしてはいけません。自分に適した運動の種類と量を、主治医とよく相談して決めましょう。

薬物療法

食事・運動療法で血糖コントロールできない2型糖尿病患者さんには、飲み薬を使うことがあります。副作用で血糖値が下がりすぎることがあるので、主治医に指示された用法・用量を必ず守りましょう。また1型糖尿病の患者さんと、飲み薬の効果が得られなかった2型糖尿病の患者さんは、インスリン注射を行います。インスリン注射は安全で確実な治療方法ですので、怖がらず、主治医に勧められたら速やかに取り入れましょう。

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